公益法人の過半が役員報酬1200万円以上!
2007年8月10日

非営利法人総合研究所(NPO総研)
主席研究員 福島 達也

 

先月17日、菅総務大臣は「公益法人に関する年次報告」(公益法人白書)を提出した。
注目すべきなのは、「国と特に密接な公益法人の給与水準の点検・見直し」を求めた「骨太の方針2006」を受け、今回の白書で始めて掲載した「収入の3分の2以上を国庫補助金に頼る」113の公益法人の役員報酬が明らかになったことだ。
その過半の66法人で常勤役員報酬が1200万円以上2000万円未満と、かなり厚遇されていることがわかった。もちろん、これは大企業の役員報酬よりは控えめかもしれないが、公務員の天下りの場合、いったん高額な退職金を受取っていることを考えると、少々高すぎると言わざるを得ない。
世のサラリーマンが、定年退職後、嘱託として再雇用される場合、給料はおよそ20万円から30万円と激減し、年収も300万円前後であることを考えてみると、市民感情を逆なでするような金額かもしれない。

また、今年からは役職を問わず一定期間常勤した公務員すべてを調査対象にしたところ、国の所管する公益法人の約5割に当たる3377法人に国家公務員出身の理事が在籍し、人数はなんと9808人であることがわかった。
さらに、公益性確保の観点から、法人の主務官庁の出身者は3分の1以下と基準を定めているが、算定方法を変えたとたん、国所管の339法人で基準を超えていたこともわかった。
算定方法を変える前の昨年は、たったの9法人であったことを考えると、ほとんどの法人がその基準をぎりぎり下回っていたことが伺える。今年の算定方法により超過が明らかになった法人は、おそらくまたぎりぎり下回る人数に減員してくるであろう。

ただ、来年から始まる新しい公益法人制度のことを考えると、できれば新制度からはこうした体質を一掃し、天下りに頼らない実力ある法人を目指して欲しいものだ。
それが国民の声かもしれない・・・。



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